このインタビューは今川知子さんとの共著「フィギュアスケートの魔力」を書くため、協力していただいたものです。なつかしい。

 まだ五輪で金メダルをとる前、世界選手権で金メダルに輝いた荒川静香選手。丁寧に言葉を選びながら、語ってくれました。

 さすが知子さん、後の世で日本中をどよめかせ、大ブームになるイナバウアーのこともちゃんと聞いています。先見の明があったのか!?(ないと思うけどwでも、五輪で金メダルのときは喜びましたが、驚きはしませんでしたよ。イナバウアーが流行語になるとは予想していませんでした。)

 何よりも荒川選手のフィギュアスケートへの静かな煮えたぎる思い、コーチ・タラソワとのリアルな練習内容、それとコーチ・モロゾフへのドラマチックな伏線。じーんと目のまわりが熱くなってしまいます。

 今、読み返しみると、これはもう日本フィギュアスケート界の夜明けへの前兆を予感させてくれる内容になっているではありませんか。ついついエモーショナルになってしまうのは私だけでしょうか。

 10年以上(!)たってしまったので、
マネージメント契約とか、古い情報もあるかもしれません。あえて、できるだけ当時の空気が伝わってくるように、そのまま載せることにしました。地平線のはるかかなたから射し込む夜明けの陽光を味わいながら、ぜひ再読してみてください。(文責・梅田香子)

 荒川静香 (on May 6 2004)
arakawa1202

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世界選手権を優勝おめでとうございます、優勝して一ヶ月あまり経ったわけですが今の気持ちを聞かせてください。以前と何か変わりましたか?


荒川:気持ちは(チャンピオンになる)以前とそんなに変わらないですけどねー。チャンピオンの実感などは持たなきゃいけないと思っているんですけれども、終わってから忙しくてなかなか落ち着いて考えている暇がないので・・・。


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今回のショーの演技(オペラ座の怪人)を見させてもらって以前より観客に「魅せる」演技で、何か貫禄というものが付いて、以前より一回りも二回りも大きくなったように見受けられたのですが、ご自身で何か感じて滑っていたのですか?


荒川:やっぱり世界選手権を優勝したことで自分を見に来る人は増えるだろうなっていうことで、エキシビションやショーでは「見に来る人のことを考えて滑る」ということを意識して作りました。「何か面白いことやりたいなー」と思って。さらっときれいな曲で滑るのも好きなんですけれども、それよりやっぱりいろんなジャンルの曲で滑りたかったので、今回は2つイメージの違うものを組み合わせたら面白いかなーと思って選びました。


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今回のショーでの「オペラ座の怪人」プログラムは誰が振り付け、選曲されたのですか?


荒川:今回のプログラムは仙台の阿部奈々美先生が振付けてくれました。4月のマーシャル国際が終わって仙台に戻ったときに2日で仕上げました。曲は私が「オペラ座の怪人を使いたい」思っていて、阿部先生に言ったら、先生がこの演奏のオペラ座の怪人の曲を見つけてきてくれました。


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静香さんが登場する前、オペラ座の怪人の登場にふさわしい稲妻が走るような照明やスモークがたかれるという演出で趣向が凝らされていましたが、それもご自身で考えられたのでしょうか?


荒川:いや。それはショーのスタッフみんながいろんなアイディア出してくれてやってくれました。最初スモークはなかったんですけど、なんかだんだん荒々しいこわーい雰囲気を醸し出してくれてましたね(笑)


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世界選手権の本選のフリー演技前はどんな気持ちで試合に臨んだのですか?


荒川:もう、あのときはすごく今シーズンの中で一番落ち着いていて変な緊張もしなかったですし、何の不安もなく気持ち良く入れたって感じです。不安は何もなくて「楽しみ」という気持ちの方が大きかったですね。


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やはりそれはタラソワコーチによるサポート等も大きかったのでしょうか?


荒川:多分それももちろん大きいとは思うのですけれども、なぜかそれは自分でもわからないです。何かそういう気持ちにさせる不思議なスポットってあるんでしょうね。


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滑走順も最終グループの一番初めで良かった?


荒川:そうですねー。待っている間に心境もどんどん変わってきたりするので、すごく自分がいい心境のときに試合にそのまま入れたというのはよかったです。逆にショートの時はすごく緊張していたので、一番でなくて良かったです。一呼吸おけたので冷静になれました。ショートの6分間練習のときは緊張しすぎたのか体がバタバタしていた感じがしたので・・・。


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最終のフリーが一番体のキレがよく、(試合直前も)良い表情していましたね。演技を見ていても本当に感動して鳥肌立ちましたよ。


荒川:滑っていて自分でもなんか感動してましたね。あんなに気持ちよく入れる試合ってめったにないんで・・・。

スケート靴アイコン太股が痛かったのに、本番に入ったら「やるしかない」という気持ちで臨んだのですか?

荒川:「やるしかない」というか「やる」か「やらないか」と言ったら、自分のやることに関しては見ている人には関係ないんですよ。ただ自分が痛そうな滑りをすると演技には損じゃないですか。だから自分では「痛い」って感じること以外には、何も感じないようにしていました。

スケート靴アイコン世界選手権優勝の勝因の一つとしてタラソワコーチが「強く押し出してくれた」と言っていまたが、具体的にどのように押し出してくれたのですか?

荒川:そうですね。もう練習時点でほとんど失敗しない練習をして、試合に入れたんで「もうこれだけノーミスの練習を繰り返してきたんだから、本番で失敗するわけがない」っていう感じでした。ですから本番できるかできないかだけの問題だけで、何も問題ない状態で本番に入れたんですね。(タラソワコーチは)やっぱりコンディションの作り方っていうのがすごく上手だと思います。今までどうしても練習から守りに入ってしまうことが多かったのでしょうね。たぶん今までの練習のまま試合に入っていれば、ショートで3-3はせず3-2にしていたでしょう。


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インナバウワーもきれいでした。あれはシーズンはじめの振りつけに入っていなかったけど、誰の希望でいれたのですか?


荒川:あれは単発で3トゥループのところなのですが、最初から3-3-2と3-3を飛ぶと、ルール上あそこは入れれなくなっちゃうんです。で、まだキャラハンコーチのところにいるときに、前半で2つジャンプコンビネーションを成功したら何しようってことにい、自分でアドリブでやってみたら、「それいいんじゃない」ってことになってやることになりました。


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タワソワコーチの練習での1日のスケジュールはどんな感じだったのですか?

荒川:朝は大体9時か10時くらいから1時間半とか一時間ぐらい練習していました。全然練習時間とか決まってないんですよ。ダンスもその前に滑っているんで、ダンスの終わる時間によっても変わるんですけど、大体その日の状態や出来だったりで練習の終わる時間も違うんですよ。ですから一緒に滑っていた高橋大輔くんも練習の終わる時間は違いました。一緒に練習していていたスケーターはダンスはイスラエルのガリト&チャイト組とロシアの3番手、シングルは私が行っていたときは高橋大ちゃんと私だけでした。氷上以外のトレーニングは何もしませんでした。もう疲れて何もできないんですよ。練習がスムーズに行って早めに終わったりした日は、やっぱりちょっとそれだけでは物足りないんで、後は自分で走ったりしてました。ただ次の日の練習に響いて「疲れているな」とタラソワさんの目にとまったら「何したの?」って言われるので。次の日の練習に差し支えないほどにしていました。


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タラソワコーチに変わってステップはより複雑に振り付けはより情熱的になったように見受けられたのですが、振り付け面、どのようなレッスンを受けて、手直ししたのですか?


荒川:ショートのステップは初日に変えられて、あれはほとんどプラトフさんが作ったものです。タラソワさんが「こういう雰囲気で」と言って、プラトフさんがそのイメージに合わせて動くって感じです。大体プラトフさんの動きがタラソワさんのイメージに合ったらそのままで、違ったらタラソワさんが「違う。もうちょっとこういう感じで」と言ってやり直す感じです。振りとかに関してもそうで、やっぱりあの二人(ウソバ&プラトフ)だと忠実に動けるんでしょうね。


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世界選手権までの3週間、タラソワさんについて短期間で静香さんの滑りがぐっと変わったように見受けられましたが、今まで教わってきてコーチとタラソワコーチの違いはありますか?

荒川:うーん!?やっぱり「毎日これだけこなす」という単調な練習ではなく、今日は死ぬまでやるというそういう練習もあれば、今日は余裕を持った練習というように、そういう波を持って練習するのが短期集中的には行くにはよかったと思います。長期的にずっと行くのだったらまた違った練習法もあると思うんですけどね。タラソワさんは氷上では動かないんですけど、陸上からすごく叫んで大きく動くのが伝わってきて「もうここでこうやるのが精一杯」って感じまでやりました。もう満足するところがないんですね。だからもうこういう完璧な練習をしていても満足するところなく毎日やるので・・・。でもまたできたらすごく喜んで褒めてくれるので、やりがいもあります。ほんとに「感じたように表現して生きている」っていう先生ですね。


スケート靴アイコンタラソワコーチについてすぐ「痩せなさい」と言われたそうですが、どんなダイエットをしてどうやって痩せたのですか?以前もそんな太っているように見えなかったのですが、何かダイエットの指導とかあったのでしょうか?


荒川:タラソワさんには「あと4~5kg痩せなさい」と言われましたね。やっぱり太っているか太ってないかでなくて、締まっているか締まってないかだと思うんですよ。タラソワさんも一応「チョコレートは一日これだけ(手で一かたまりほどをジャスチャー)」言ってはきたんですけど、実行はしなかったですね。一緒に生活してなかったのでタラソワさんからの食事面の管理とかもなかったです。ただ練習がハードだったから締まっていったのかな。動ける体であればそれ以上「痩せろ」とは言われないと思っていたので、動ける状態に毎日しておく事が大事だなとすごく感じていました。体重計を持ってなかったなくて、どれくらい痩せたというのがわからなかったので、やっぱり動けるか動けないかを目安にしていました。体がちょっと重いなと感じたら動く量を増やすとか走ってみるとかはしていましたが、食べる量を減らすとか特別なことは何もしていないです。


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タラソワチームに入っている元五輪アイスダンスメダリスト、マイア・ウソバ&エフゲニー・プラトフもキス&クライに座っていましたが、アイスダンサーからの指導って今まで受けたことありますか?今までのシングルスケーターからの指導との違いはありましたか?

荒川:アイスダンサーからの指導は振り付け時のみでしたが、ニコライ・モロゾフから受けたことがあります。さきほども言いましたように二人は実技担当って感じで、スケーティングやステップを教えてもらいました。やはりアイスダンサーってこともあってツイズルが多いですよね。あとスムーズに左右両方ともターンができてしまうので、当たり前のように入れられちゃうと「それはできないよ」と思うのだけれども、「できない」とは言わせない。「やるんだ!」って感じですかね。「来年はもっと難しいことをやる」と、毎回来年の話をしてましたね。来年も「できれば」ではなく、できるまでやらされると思うんですけどね(笑)


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スケーターとしての今後のビジョンと夢を教えてください。


荒川:満足することなくちょっとずつでも自分の足りないところを補ってうまくなっていきたいです。やっぱりプロになってからすごく上手くなっている人もいるので、そういう風になりたいなって思いますね。例えば佐藤有香さんみたいに。もう明らかに年々うまくなっていっているので。やっぱり「魅せる」スケートもショーで滑っているだけあって洗練されているなーと思います。自分はスケーティングの質がまだまだだと思うのでその辺りを伸ばしていきたいです。


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長野五輪のときと思い入れの違いなどありますか?


荒川:あのときは自分の出来がどうよりも自分がオリンピックに出たいという気持ちが強かったですね。まあ小さい頃のただの憧れの延長みたいなもので、現実的に出てどうなりたいっていうことより、ただ出たいって気持ちが強かったと思います。そのときはまだ世界選手権も出たことなかったので、現実的にどのくらいまでいけるというのはわからなかったですね。今はそのときと変わった面では試合に出る出ないより、自分のスケート自体がすごく気になるということですね。自分の演技ができれば結果はあとでついてくるだけなので・・・。 


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小さい頃のスケートに関して思い出深いエピソードを教えてください。


荒川:そうですねー。自分が小さい頃は、よくおしゃべりしてリンクから上がらされたことしか覚えてないですねー(笑)それで先生から「上がれ」とか言われたら、みんな大体「やらしてください」とか言うのに、私は「だって上がっていいって言ったもん」っていう勢いで、すぐ上がって「さよならー」って感じでした。でまた次の日練習に行ったら「昨日はなんで帰ったんだ」って怒られるんですけどね。先生も自分もお互い頑固でしたねー。でもそういう風に早くリンクから上がったときは、柔軟体操とか縄跳び、腹筋とかやって「人より早く上がったんだからその分何かやらなきゃいけない」っていうのはその頃から感じていました。小さい頃からできない事に対して、できるようにする意識っていうのはすごくありましたね。だから熱しやすく冷めやすいんですよ。できちゃうともう飽きちゃうんです。もうできるまでは「その日に出来ないと気が済まない」っていう勢いでやるので、その集中力だけは自分でもすごいと思いますね。だから自分に対しての負けず嫌いなんですね。それで人が見ているときにじゃなくて、見てないときに出来るようにして、みんなの前では「突然できた」っていう顔でいきたいタイプなんです。あんまり必死になって練習していることを見られたくなかったんですね。だから朝練とかみんな10時に終わって帰るんですけど、そのあと一時間ほどいたり、みんな帰った後に、またもう一回リンクに戻ってきてジャンプの練習をしたりして、夜にはできるようにしてました。




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現役の選手を引退したあとの夢とかありますか?


荒川:やっぱりアイスショーで滑って世界中を周りたいです。そういうショーの方にはすごく興味があります。この間スターズ・オン・アイスとかゲストで出させてもらってみんな現役のとき滑っていたイメージと全然違って現役のときよりうまくなっているなと思いました。自分もそういうところで経験することによって少しずつでも何か得られればと思うので、どんどん現役、現役でないに関わらずそういうショーに出るチャンスがあれば積極的に出たいし、そして自分が出ることも大事ですけど、いいスケーターを目の前で見てきたいなっていうのもあります。


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世界選手権後、オクタゴン社とエージェント契約をされましたが、オクタゴン社を選んだ理由は?

荒川:いや、自分がそんないっぱい知らなかったので・・・。

(マネージャー):こちらから積極的にお願いしました(笑)、うちの社長のT(以前はIMGに所属し、佐藤有香さんや八木沼純子さん等のスケーターを担当)がフィギュアスケートがまだ今ほど盛んでない頃からずーっと関わってきて注目していて、自身もスケートが大好きみたいなので、昔からずーっと荒川さんには目を付けていて(笑)、「きっといいぞ、いいぞ」って言っていて、やっと契約できました。


<後記>
すでにBBSでは話題にしたように、今川知子さんが5月の連休中、荒川静香選手をインタビューしてくれました。スポーツナビへの寄稿もぜひ、ぜひあわせてご覧ください。 さんざん宣伝ずみの文春新書「フィギュアスケートの魔力」(2004年秋発売)にも、主にタラソワとのトレーニングについて荒川さんのコメントをふんだんに導入しました。
そこでは使わなかった部分を読み返していたら、捨ててしまうのはもったいなく、ここにアップすることにしたのです。
私はこの方、天才肌の練習嫌いタイプを勝手に思いこんでいたのです。が、小さい頃の話しなんか聞くと、どうもそれは間違った先入感だったような気がしてきました。コツコツ影で努力するタイプというか。・・・とはいえ、これは私見にすぎませんので、ともかく読んでいただき、それぞれの感想を大事にしていただけると、ライター冥利に尽きるというものです。(梅田香子)



第1回 高橋大輔
第2回 荒川静香 第1弾
第3回 岡本治子コーチ
第4回 安藤美姫
第5回 浅田舞&真央姉妹
第6回 山田満知子コーチ

第7回 太田由希奈





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